さいとうさだめ.rtf
つきのみと折句 十二首
短歌の「五・七・五・七・七」
それぞれのはじめの音に、
五文字の言葉をはめて詠む遊びです。
あいうえお作文や縦読みを
イメージしていただければ
分かりやすいでしょうか。
たほいややワードサラダ、
ラップバトルなど、
言葉遊びを愛する委員長へ
「つきのみと」折句を贈ります。
一周年おめでとうございます。
さいとうさだめ
◆
つややかな「起立!」の声が脳を突く
見晴らしのいい峠のように
ツンデレの極めつけたる野兎よ
道はあなたが跳んだところだ
粒つぶが消えるほど混ぜ
のどごしは水戸納豆がとびきりだから
爪先に金粉を塗る
望むならみぞおちまではトライしてみる
強がりも気まぐれすらも能力で
密な時間を灯してくれた
つまらない季節などない
野の草がみな立ち枯れて鳥を集める
ツバメ去る
見上げてきみは年を取らない
2Dのキネマでフィルム・ノワールを
見返すような時の遊び場
月へゆく気球あるいはノアの舟
道連れにして飛ばしてくれよ
水は楓の通り道だよ
伝えたい気持ちを今は飲み込んだ
ミュージックまだ止めないでいて
次の日もきみが舞台へのぼるから
短く息を止めて待つんだ